パーキンソン病の情報に迷わない社会へ|新しい情報メディアを立ち上げました
2026.08.21 更新
パーキンソン病の情報に迷わない社会へ|新しい情報メディアを立ち上げました
こんにちは。
PDit(ピディット)の小川順也です。
今日は、皆さんに新しい取り組みについてお話ししたいと思います。
私たちはこのたび、
パーキンソン病の方とそのご家族のための情報メディアを立ち上げました。
でも、私たちが作りたいのは、単なる「パーキンソン病の情報サイト」ではありません。
このメディアを通して実現したいことがあります。
それは、
パーキンソン病と診断されたその日から、安心と希望を持って次の一歩を踏み出せる社会をつくること。
です。
パーキンソン病と診断された日、「何をしたらいいのか分からない」
これまで多くのパーキンソン病の方と関わってきました。
その中で、診断された頃のお話を聞くと、
「頭が真っ白になりました」
「これからどうなるんだろうと思いました」
「何をしたらいいのか、全く分かりませんでした」
「インターネットで調べれば調べるほど怖くなりました」
という声を本当によく聞きます。
病院でパーキンソン病と診断される。
先生から病気や薬について説明を受ける。
でも、診察室を出た瞬間から、
「じゃあ、明日から私はどう生活したらいいんだろう?」
という新しい疑問が始まります。
運動はした方がいいの?
どんな運動をしたらいいの?
食事は変えた方がいい?
仕事は続けられる?
旅行には行ける?
リハビリはいつから始める?
介護保険は?
薬についてもっと知りたい。
同じ病気の人はどうしているんだろう。
知りたいことは、次から次へと出てきます。
調べれば調べるほど、不安になることもある
今はスマートフォンで検索すれば、たくさんの情報を得られる時代です。
これはとても便利なことです。
一方で、インターネット上には、さまざまな情報があります。
医学的な根拠に基づいた情報もあれば、個人の経験による情報もあります。
中には、根拠が十分ではない情報や、必要以上に不安をあおるような表現もあります。
そして、診断されたばかりの方が、それらを自分で見分けることは簡単ではありません。
「これを食べてはいけないらしい」
「この運動はやらない方がいいらしい」
「この治療をしないと進行するらしい」
いろいろな情報を目にするうちに、
何を信じればいいのか分からなくなる。
そして、病気について知ろうとして検索したはずなのに、
調べる前より不安になってしまう。
そんなことが起きています。
私たちは、この状況を変えたいと思っています。
私たちは「運動」だけを届けてきたわけではありません
PDitはこれまで、パーキンソン病の方へのパーソナルトレーニングやグループトレーニング、オンラインでの運動支援などを行ってきました。
もちろん、私たちは運動の専門家です。
でも、実際に目の前の方と向き合っていると、運動だけをお伝えして終わることはほとんどありません。
「最近薬が効きにくい気がするんです」
「先生に何を伝えたらいいですか?」
「こんな症状が出てきたんですが、どうしたらいいですか?」
「仕事を続けたいんです」
「家族にはどう説明したらいいでしょうか?」
「どこに相談すればいいですか?」
本当にいろいろな相談があります。
もちろん、私たちが医師の代わりに診断したり、薬を決めたりすることはできません。
だからこそ、
必要なことは医師へ相談してもらう。
運動については私たちが支える。
地域の支援が必要なら、その場所につなぐ。
そして、
今、その人に必要な情報をできるだけ分かりやすく伝える。
そんなことを大切にしてきました。
15年以上の関わりの中で、たくさんの知識と経験が蓄積されてきました
私たちはこれまで、パーキンソン病の方だけでなく、
医師、理学療法士、作業療法士、看護師、ケアマネジャー、地域の支援者、研究者など、本当に多くの方々と関わってきました。
そして何より、パーキンソン病とともに生活している当事者の皆さんから、たくさんのことを教えていただきました。
医学書や論文だけでは分からないことがあります。
診察室だけでは見えないこともあります。
運動を一緒に続けるからこそ見えてくること。
何年も関わるからこそ分かること。
ご本人やご家族の言葉から気づかされること。
そして研究から分かってきたこと。
PDitには、そうした知識や経験が少しずつ蓄積されてきました。
だったら、
この知識や経験を、目の前にいる方だけに届けるのではなく、もっと多くの方へ届けたい。
そう考えました。
それが、今回この情報メディアを立ち上げた大きな理由です。
「ここを見れば大丈夫」と思える場所をつくりたい
私たちが目指しているのは、
記事の数が一番多いサイトではありません。
アクセス数だけを追いかけるメディアでもありません。
目指したいのは、
パーキンソン病と診断された方が、
「まずここを見てみよう」
と思える場所です。
病気について知りたい。
薬について知りたい。
運動について知りたい。
リハビリについて知りたい。
生活について知りたい。
新しい研究について知りたい。
同じ病気の人とつながりたい。
イベントに参加したい。
そんな時に、このメディアを開けば、次に進むためのヒントが見つかる。
そして、読み終わった時に、
「怖い……」
ではなく、
「これなら自分にもできることがありそうだ」
と思ってもらえる。
まさに「パーキンソン病と診断されたら最初に検索する情報メディア」
そんな場所にしていきたいと思っています。
情報の先に「行動できる場所」があることも大切
そして、PDitだからこそできることがあると思っています。
私たちは情報だけを発信している組織ではありません。
運動したいと思ったら、運動できる場所がある。
専門家に相談したければ、相談できる。
オンラインでも運動できる。
地域ではPD Cafeのような取り組みも始めています。
イベントでは、人とつながることもできる。
つまり、
知る → 動く → 相談する → つながる
ところまでをつくることができます。
私はここが、とても重要だと思っています。
正しい情報を知ることはゴールではありません。
その情報をきっかけに、
その人の生活が少しでも良い方向へ動き出すこと。
そこまでつなげて初めて、情報には価値が生まれると思っています。
私たちが目指しているのは「インフラ」です
PDitには、大きな目標があります。
それは、
パーキンソン病の運動支援を、社会のインフラにすること。
です。
電気や水道のように、
必要な時に、当たり前にそこにある。
住んでいる場所に関係なく、
経済状況に大きく左右されることなく、
パーキンソン病と診断されたら、必要な運動支援につながることができる。
そんな社会をつくりたいと思っています。
そして、そのインフラに必要なのは「運動する場所」だけではありません。
正しい情報へアクセスできることも、インフラの一つです。
診断されたら、まず適切な情報を知る。
自分の身体について知る。
運動の必要性を知る。
必要な治療や支援について知る。
そして、自分に合った場所につながる。
情報と支援がバラバラに存在するのではなく、
一つの道としてつながっている。
そんな仕組みをつくっていきたいと思っています。
「診断日から安心して運動を始められる社会」へ
私たちのVisionは、
「診断日から安心して運動を始められる社会」
です。
今はまだ、
パーキンソン病と診断された方が、
自分でインターネットを検索し、
自分で運動方法を探し、
自分で相談先を探さなければならないことが少なくありません。
私は、それを変えたい。
将来的には、
パーキンソン病と診断されたら、
「まずここを見よう」
という情報があり、
「まずここにつながろう」
という場所があり、
そこから、
医療、運動、地域、仲間へ自然につながっていく。
そんな社会を本気でつくりたいと思っています。
今回立ち上げた情報メディアは、そのための一つの大切なピースです。
まだ、始まったばかりです
もちろん、このメディアはまだ完成していません。
むしろ、
ここからがスタートです。
これからPDitのスタッフみんなで、
臨床で得た経験、
研究から分かったこと、
医師や医療従事者から学んだこと、
そして何より、パーキンソン病の当事者やご家族から教えていただいたことを、一つひとつ丁寧に形にしていきます。
そして、
「こんなことが知りたい」
「こんなことで困っている」
「この情報が分かりにくい」
という皆さんの声も聞きながら、このメディアを育てていきたいと思っています。
パーキンソン病と診断されても、希望を持てる社会に
病気について正しく知ることは、
怖いことではありません。
正しい情報は、
「これから何ができるのか」を考えるための力
になります。
パーキンソン病と診断されたからといって、
その日から人生の可能性まで小さくなるわけではありません。
運動できることがあります。
生活の中で工夫できることがあります。
治療について相談できることがあります。
人とつながることができます。
そして、まだまだできることはたくさんあります。
私たちのMissionは、
「良くなることを、あきらめない。」
です。
情報を届けることも、
運動を届けることも、
地域でPD Cafeをつくることも、
オンラインで全国とつながることも、
研究を続けることも、
すべてこの想いにつながっています。
今回の情報メディアも、その挑戦の一つです。
正しい情報と、確かな支援が、必要な人に当たり前に届く社会へ。
そして、
パーキンソン病と診断されたその日から、安心と希望を持って一歩を踏み出せる社会へ。
まだ小さなメディアですが、ここから本気で育てていきます。
ぜひ皆さんにも、一緒に育てていただけたら嬉しいです。
これからのPDitの挑戦を、楽しみにしていてください。
情報メディアはこちらから
PDit
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