「年齢のせいかな…」と思っていませんか? ~手の小さな変化に早く気付くことが大切な理由~
2026.08.17 更新
こんにちは。作業療法士の属です。
パーキンソン病というと、
「歩きにくくなる病気」
というイメージを持たれている方が多いかもしれません。
もちろん歩くことや姿勢は大切です。
でも実は、
手の動きも少しずつ変化していくことがあります。
しかも、その変化はとてもゆっくり進むため、
「年齢のせいかな。」
と思ってしまう方が少なくありません。
「できない」ではなく「少し使いにくい」
手の変化は、
ある日突然起こることは少なく、
少しずつ始まります。
例えば、
歯磨きが少しやりにくい。
お箸が疲れやすい。
ペンで字を書くのが少し面倒になった。
ボタンを留めるのに時間がかかる。
どれも、
「できない」
ではありません。
「前より少しやりにくい」
そんな変化です。
だからこそ、
「まだ大丈夫。」
と思ってしまいやすいのです。
人は自然と「できる方法」を選びます
私たちの身体は、とても賢くできています。
使いにくいと感じると、
無意識のうちに、
別の方法で生活できるよう工夫します。
例えば、
右手が使いにくければ左手を使う。
便利な道具を使う。
時間をかけて終わらせる。
「今日は疲れているから。」
と後回しにする。
こうした工夫は、
生活を続けるためにはとても大切なことです。
だから、
工夫をすること自体は決して悪いことではありません。
でも、気付かないうちに…
一方で、
その状態が長く続くと、
右手を使う機会が少しずつ減ったり、
いつも同じ使い方になったりすることがあります。
すると、
「前より細かい作業が苦手になった。」
「力加減が難しい。」
「なんとなく使いにくい。」
そんな変化につながることもあります。
大切なのは「たくさん使うこと」ではありません
「じゃあ、いっぱい使えばいいんですね。」
そう思われるかもしれません。
でも、
私たちが大切にしているのは、
「たくさん使うこと」
ではありません。
まずは、
「今、自分の手がどんな状態なのか。」
を知ることです。
だから今回ご紹介したセルフチェックも、
診断をするためではなく、
“今の自分を知るきっかけ”
として使っていただければと思います。
「年齢だから」で終わらせないために
もちろん、
年齢による変化もあります。
でも、
「年齢だから仕方ない。」
と思っていたことの中に、
実は改善できることが隠れている場合もあります。
手の使い方。
身体の使い方。
姿勢。
力の入り方。
そうしたことを少し見直すだけで、
生活が楽になる方もいらっしゃいます。
最後に
「最近、少しやりにくいな。」
その小さな気付きが、
これからの生活を守る大切な一歩になります。
もし今回のセルフチェックで、
「思ったより難しかった。」
「左右差があった。」
そんな発見があれば、
それは悪いことではありません。
自分の身体を知ることが、改善への第一歩です。
PDitでは、
「もっと頑張って使いましょう。」
ではなく、
「どうすれば使いやすくなるか、一緒に考えましょう。」
という気持ちで、皆さんと向き合っています。
一人で悩まず、気になることがあれば、いつでもご相談ください。
PDit スタジオ銀座本店
認定作業療法士 属 崇維(サッカ タカヨシ)
参考文献
- Taub E, et al. Learned nonuse phenomenon in chronic stroke. Stroke. 1997;28(1):1–7.
- Liepert J, et al. Motor cortex plasticity during constraint-induced movement therapy in stroke patients. Neurosci Lett. 1998.
- Kleim JA, Jones TA. Principles of experience-dependent neural plasticity: implications for rehabilitation after brain damage. J Speech Lang Hear Res. 2008;51:S225–S239.
- Barbe MT, et al. Neural mechanisms of motor control in Parkinson’s disease and rehabilitation strategies. Prog Neurobiol. 2015.
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