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薬は効いているのに動きにくい…その理由は「腸」にあるかもしれません

こんにちは。

PDitスタジオ銀座本店 作業療法士の属(サッカ) です。

「腸と薬の効き方の関係」

についてお話しします。

「今日は薬が効くのが遅い。」
「昨日はよく効いたのに今日は効きにくい。」

そんな日がある方は、実は腸や胃の状態が関係しているかもしれません。


この記事でわかること

✅ 腸や胃が薬の効き方に影響する理由

✅ 便秘とレボドパの関係

✅ 腸−脳相関とは何か

✅ 今日から見直したいポイント


レボドパは「胃」で吸収されるわけではありません

まず知っていただきたいのは、

レボドパは胃ではなく、小腸で吸収される薬ということです。

薬を飲むと、

胃 → 小腸 → 血液 → 脳

という順番で運ばれます。

つまり、

胃から小腸へスムーズに運ばれること

が、とても重要になります。


パーキンソン病では胃の動きもゆっくりになることがあります

パーキンソン病では、手足だけでなく、自律神経にも影響が及ぶことがあります。

そのため、

胃の動きがゆっくりになる

「胃排出遅延(いはいしゅつちえん)」

が起こることがあります。

すると、

薬が胃の中に長く留まり、

小腸へ届くまで時間がかかります。

その結果、

  • 薬が効き始めるのが遅い
  • 日によって効き方が違う
  • ONになる時間が読みにくい

と感じることがあります。


便秘は「お腹がつらい」だけではありません

便秘はパーキンソン病でよくみられる症状です。

実は便秘は、

生活の質だけでなく、

薬の効き方にも影響する可能性があります。

便秘が続くと、

腸全体の動きが低下し、

胃排出遅延とも関連することがあります。

そのため、

「今日は薬が効きにくい」

と感じる原因の一つになることがあります。

もちろん、

すべての方に当てはまるわけではありませんが、

便秘を改善することは、

身体全体のコンディションを整えるうえでも大切です。


最近注目されている「腸−脳相関」

近年、パーキンソン病の研究では、

腸−脳相関(Gut–Brain Axis)

という言葉が注目されています。

これは、

腸と脳がお互いに影響し合っている

という考え方です。

腸内細菌や腸の炎症、自律神経の働きなどが、

脳にも影響する可能性があることが分かってきました。

まだ研究が進んでいる途中ですが、

「腸を整えることが脳にも良い影響を与える可能性」

が期待されています。


タンパク質は必要以上に心配しなくても大丈夫です

レボドパは脳へ運ばれる際に、

アミノ酸と同じ通り道を利用します。

そのため、

一度に大量のタンパク質を摂ると、

薬の効き方に影響する方もいます。

ただし、

早期のパーキンソン病では、過度に心配する必要はありません。

「タンパク質を食べてはいけない」

という意味ではありませんので、

自己判断で食事を制限することは避けましょう。

進行に伴って薬の効き方が不安定になってきた場合は、

主治医や管理栄養士に相談することをおすすめします。


酸化マグネシウムを飲んでいる方へ

便秘のお薬として、

酸化マグネシウムを服用されている方も多いと思います。

酸化マグネシウム自体は安全性の高いお薬ですが、

レボドパと同じタイミングで服用すると、

吸収に影響する可能性が指摘されています。

一般的には、

1〜2時間ほど間隔を空けて服用すること

が勧められることがあります。

ただし、

すべての方に影響するわけではありません。

服薬方法を変更するときは、

必ず主治医や薬剤師へ相談してください。


今日から確認してみましょう

薬が効きにくいと感じた日は、

こんなことも振り返ってみてください。

✔ 便秘が続いていないか

✔ 水分は足りているか

✔ 食事は極端に偏っていないか

✔ 胃の調子はどうか

✔ 薬を飲む時間は毎日大きく変わっていないか

こうした小さな積み重ねが、

薬の効果を発揮しやすい身体づくりにつながります。


まとめ

薬はパーキンソン病治療の中心です。

しかし、

その薬が十分に力を発揮するためには、

胃や腸の状態も大切です。

便秘や胃排出遅延、腸内環境などは、

薬の効き方や身体のコンディションに影響する可能性があります。

私たちPDitでは、

薬だけを見るのではなく、

睡眠や疲労、ストレスだけでなく、

腸の状態や生活習慣も含めて「今日はなぜ動きにくいのか」を一緒に考えることを大切にしています。

身体は一つの臓器だけで動いているわけではありません。

だからこそ、全身をみることが、毎日を少しでも動きやすくする第一歩になると考えています。


PDit スタジオ銀座本店

認定作業療法士 属 崇維(サッカ タカヨシ)


参考文献

  1. Fasano A, Visanji NP, Liu LWC, Lang AE, Pfeiffer RF. Gastrointestinal dysfunction in Parkinson’s disease. Lancet Neurol. 2015.
  2. Cilia R, et al. Gastric emptying and levodopa response in Parkinson’s disease. Movement Disorders. 2023.
  3. Athauda D, Foltynie T. The gut-brain axis in Parkinson disease. Nat Rev Neurol. 2016.
  4. Pfeiffer RF. Gastrointestinal dysfunction in Parkinson’s disease. Parkinsonism Relat Disord. 2011.
  5. Bloem BR, Okun MS, Klein C. Parkinson’s disease. Lancet. 2021.
     
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