聞けばわかるんだけど、思い出せなくなる言葉って、ありませんか?
私は、特にカタカナの言葉によくあります。
昨年の11月、晴れの日のことです。
「パーキンソン病の初期段階にある可能性が高いと考えられます。」
脳神経内科の先生は、
はっきりと、私に言っていました。
え…、それって!?
たしか、かなり怖い病気じゃなかったかしら?
若めの賢そうな女性の先生の、端的な説明を続けます。
適度な優しさもありました。
「急に言われても、驚いてしまうと思いますが、
今、やっている事は、できる範囲で続けた方がいいと思います。
少量づつ薬を始めましょう。
効果が出るかは診断の材料となります。
これからの検査は、〜〜」
先生の声は、ちゃんと聞こえます。
けれども、文脈とは関係なく、 私の中に
「車椅子」や「介護ベッド」「動かない身体」のイメージが、チラついてしまいます。
落ち着け、私…、
先生は、今そんな話はしていない。
ちゃんと聞かなくちゃ!
その後の、採血の本数に驚かされて、
看護婦さんから、検査の補足説明をうけて、
待合室に戻る頃には、気分は、もうヘトヘトです。
念のために、聞いてきたことを、心の中で思い返しました。
えーと、 次の通院は…、
〜 今後の検査は…、
〜 薬は、…、
〜 病名は、… … …あれ? なんだったかしら?
えーと、パ パ、パッチワーク!
…んな、わけないでしょ!?
えーと、パ、パ、パーソンズ!
…ちがう。ちがう。
確か、パがつくんだけど…… 。
「このまま帰ったら、 家族に説明できないじゃん…。」
それでも、スマホの力を借りて、
なんとかその場で「パーキンソン病」という言葉に辿り着き、
こっそりメモをして帰りました。
文明の力に、感謝ですッ!!
そして…、 早かった様な、 長かった様な、
あれから1年が過ぎました。
もちろん、パーキンソンと、パーソンズと言い間違える事は、もう絶対にありません。
近頃では、パのつく身近な言葉No.1です。
もう一度、うっかり忘れてみたいくらいです。
pd cafeの言う通り、 いつか、根本治療法が受けられる時がきたら、
「私があの頃かかちゃった、病気の名前…。
なんだったかしら?」
…なんて、言ってる未来もあるのでしょうか?
想像すると、ププッて、笑ちゃいます。
皆さんは、はじめて「パーキンソン病」と言う言葉を知った頃 覚えにくいと思いませんでしたか?
私だけかな…?
*ともみ*
写真は「パイナップル」パターンです。
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