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パーキンソン病のリハビリを地域へ|運動・学び・交流をつなぐ「PD Cafe」の挑戦

パーキンソン病のリハビリを地域へ|運動・学び・交流をつなぐ「PD Cafe」の挑戦

こんにちは。
パーキンソン病専門の運動支援サービス PDit の小川順也です。

パーキンソン病と診断された方から、

「いつからリハビリを始めたらいいですか?」

「症状が軽いうちから運動した方がいいですか?」

「病院のリハビリ以外に、地域で相談できる場所はありますか?」

といったご相談をいただくことがあります。

私たちは、パーキンソン病のリハビリや運動は、症状が進んでから始めるものではなく、できるだけ早い時期から生活の中に取り入れていくことが大切だと考えています。

ただ、運動方法を知るだけでは十分ではありません。

自分の身体について知ること。

病気について学ぶこと。

専門職に相談できること。

同じパーキンソン病の方やご家族とつながること。

そして、困ったときに地域の支援につながれること。

こうしたものを一つにつなげる場所として、私たちは今、「PD Cafe」という活動を改めてスタートしています。

パーキンソン病のリハビリは「運動するだけ」ではない

パーキンソン病では、運動を継続することがとても大切です。

ウォーキング、筋力トレーニング、ストレッチ、バランス練習など、さまざまな運動があります。

しかし、私たちが日々パーキンソン病の方と関わる中で感じているのは、

「運動を教えるだけでは、その人の生活全体を支えることは難しい」

ということです。

例えば、

「家ではどんな運動をすればいいのか分からない」

「最近歩きにくくなったけれど、誰に相談したらいいのか分からない」

「介護保険はまだ必要ないと思うけれど、将来が少し心配」

「同じパーキンソン病の人と話してみたい」

こうした悩みは、病院の診察やリハビリの時間だけではなかなか解決できません。

だからこそ、パーキンソン病の方が地域の中で気軽に運動し、学び、相談し、人とつながれる場所が必要だと思っています。

PD Cafeはコロナ前から始まっていました

実は「PD Cafe」という活動は、最近始まったものではありません。

私たちはコロナ禍以前から、パーキンソン病の方が集まり、

  • 一緒に運動する

  • パーキンソン病やリハビリについて学ぶ

  • 同じ病気の方同士で話す

  • 理学療法士などの専門職に相談する

といった活動を行っていました。

病院や介護施設とは少し違う、

「パーキンソン病の方が気軽につながれる場所」

をつくりたいという想いから始めた活動です。

ところが、新型コロナウイルスの流行によって、人が集まる活動を続けることが難しくなりました。

PD Cafeも、一度その活動を止めざるを得ませんでした。

2022年、世田谷区で「早期からつながる」取り組みが始まった

その後、2022年から世田谷区で新しい取り組みが始まりました。

きっかけは、地域包括支援センターの方から聞いた一つの課題でした。

それは、

「パーキンソン病の方と地域包括支援センターがつながる頃には、症状がかなり進んでいるケースが多い」

ということです。

地域包括支援センターでは、介護や生活についてさまざまな相談を受けることができます。

しかし、パーキンソン病と診断されたばかりの方にとっては、

「まだ介護が必要なわけではない」

「地域包括支援センターは自分には関係ない」

と思われることも少なくありません。

そもそも地域包括支援センターという存在自体を知らない方もいます。

でも、本当は症状が進んでからではなく、

まだ元気なうちから地域とつながっておくこと

が大切なのではないか。

そこで私たちは、

「運動をきっかけに地域包括支援センターとつながる仕組みをつくれないか」

と考えました。

パーキンソン病の運動教室と体力測定を「地域への入口」に

2022年から、世田谷区の地域包括支援センターと株式会社Smile Spaceが連携し、パーキンソン病の方を対象にした活動を始めました。

これまで「世田谷モデル」と呼んできた取り組みです。

内容は、

① パーキンソン病の運動教室

理学療法士と一緒に身体を動かします。

単にたくさん運動するのではなく、自分の身体の状態を確認しながら、安全に運動を続けるきっかけをつくります。

② 体力測定

姿勢や身体機能、体力などを確認します。

「自分は今どのくらい動けているのか」を知ることも、パーキンソン病のリハビリを考えるうえで大切です。

③ パーキンソン病についてのプチ講座

運動や生活、病気との付き合い方などについて学びます。

④ グループでの交流

同じパーキンソン病の方やご家族と話す時間をつくります。

こうした活動を通じて、運動をしに来た方が自然と地域包括支援センターの職員さんと話すことができます。

つまり、

「運動教室に参加する」ことが、「地域とつながる入口」になる仕組みです。

「世田谷モデル」から、もう一度「PD Cafe」へ

これまで世田谷区で続けてきたこの活動を、今後は改めて

「PD Cafe」

という名称で展開していきます。

PD Cafeで大切にしたい言葉は、

「動いて、知って、学んで、繋がる」

です。

パーキンソン病のリハビリというと、

「筋力トレーニングをする」

「歩く練習をする」

といった運動だけをイメージする方も多いかもしれません。

でも私たちは、もっと広く考えています。

身体を動かす。

自分の身体を知る。

パーキンソン病について学ぶ。

専門職とつながる。

同じ病気の方とつながる。

地域の支援者とつながる。

こうしたすべてが、パーキンソン病と長く付き合っていくための大切な支援だと考えています。

PD Cafeでは何をするの?

今後、PD Cafeは3ヶ月に1度程度の開催を予定しています。

基本的な内容は、

  • グループワークでの交流

  • パーキンソン病やリハビリについてのプチ講座

  • 体力測定

  • 運動教室

です。

また、PD CafeとPD Cafeの間の期間にも、各地域のあんしんすこやかセンターを回りながら、パーキンソン病の方向けの運動教室を不定期で開催していく予定です。

運動を継続することはもちろん、

「また会いましたね」

「最近どうですか?」

と顔を合わせられる関係を地域の中につくっていきたいと思っています。

なぜパーキンソン病では早い時期からリハビリや運動が必要なのか

私たちがPD Cafeを通じて特に伝えたいのは、

「症状が進んでから初めてリハビリを考えるのではなく、早い時期から自分の身体と向き合ってほしい」

ということです。

パーキンソン病と診断されたばかりの頃は、

「まだ普通に歩けている」

「まだ仕事もできている」

という方も多くいらっしゃいます。

だからこそ、

「今はリハビリをしなくても大丈夫」

と思うかもしれません。

しかし、元気な時期だからこそ、

運動習慣をつくる。

身体の状態を知る。

相談できる専門職を見つける。

地域の支援先を知っておく。

こうした準備をしておくことが大切です。

PD Cafeは、その最初の一歩になれる場所を目指しています。

世田谷区での取り組みを研究として検証します

そして、今後はこの活動を続けるだけではなく、研究としても整理していく予定です。

2022年から続けてきた世田谷区での取り組みについて、

  • 地域包括支援センターの職員

  • 実際に参加されたパーキンソン病の方

  • ご家族

  • リハビリテーション専門職

などからお話を伺い、

「なぜこの取り組みが始まったのか」

「どのように連携してきたのか」

「参加した方にとって何が良かったのか」

「どんな課題があるのか」

「他の地域でも実施するためには何が必要なのか」

を調べていきます。

なぜ研究するのか?世田谷だけの取り組みで終わらせないため

私たちが研究を進める理由は明確です。

この仕組みを世田谷区だけで終わらせたくないからです。

もちろん、地域が変われば環境も変わります。

医療機関も違います。

行政や介護サービスも違います。

地域包括支援センターと医療機関との関係も違います。

だからこそ、

世田谷区で何がうまくいったのか。

どこに難しさがあったのか。

どのような連携が必要だったのか。

を整理していく必要があります。

その結果を研究として残すことで、将来的には他の地域でも、

パーキンソン病の方が早い時期から運動やリハビリを始め、地域とつながれる仕組み

をつくるためのヒントになると考えています。

パーキンソン病と診断された日から、安心して運動を始められる社会へ

パーキンソン病と診断されたとき、

「これからどうなるんだろう」

「運動した方がいいと聞くけれど、何をすればいいの?」

「リハビリはいつから始めればいいの?」

「どこに相談したらいいの?」

たくさんの不安が出てくると思います。

そんなときに、

近くに運動できる場所がある。

パーキンソン病について相談できる人がいる。

同じ病気の人と出会える。

地域の支援者ともつながれる。

そんな環境が当たり前にあったらどうでしょうか。

私たちは、パーキンソン病と診断されてから症状が進むのを待つのではなく、診断された早い時期から運動・リハビリ・地域支援につながれる社会をつくっていきたいと思っています。

PD Cafeを、地域の当たり前に

コロナ禍で一度活動が止まったPD Cafe。

2022年から世田谷区で地域包括支援センターの皆さんと協力し、新しい形で活動を積み重ねてきました。

そしてこれから、もう一度**「PD Cafe」**という名前で活動を広げていきます。

動いて、知って、学んで、繋がる。

運動やリハビリだけでなく、人と人、専門職、そして地域をつなぐ場所。

それが、これから私たちがつくっていきたいPD Cafeです。

世田谷区で活動を続けながら、その取り組みを研究として検証し、将来的にはさまざまな地域へ広げていきたいと思っています。

パーキンソン病の方が、

「もっと早く知りたかった」ではなく、「早い時期につながれてよかった」

と思える社会へ。

PD Cafeの挑戦を、これからも続けていきます。

 

PDit

小川順也

理学療法士/LSVT®︎BIG認定療法士/パーキンソン病療養指導士

 

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