継続的な運動は薬の量を抑えられる?
2022.06.14 更新
みなさんこんにちは。小川順也です。
私が理学療法士の資格を取得したのは2011年。
そこから10年以上パーキンソン病の方々のリハビリに携わっています。
病院に勤めていた時はパーキンソン病の以外の神経難病の方も多くリハビリしていましたが、
病院を辞めてからは、より多くのパーキンソン病の方へリハビリを実施出来ています。
そんな私が、日々みなさんの動きを見ていて気がついたことや、
世界中の研究からみなさんにとってより良いプログラムを考えて行きます。
今回は2021年に出された論文をご紹介します。
Detraining Slows and Maintenance Training Over 6 Years Halts Parkinsonian Symptoms-Progression
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8641297/
この研究は
① 3週間の集中的な運動プログラム実施群
② 3週間の集中的な運動プログラム実施+週3日の継続的な運動プログラム群
③ 運動介入なし群
を6年間追った研究です。
中には離脱者も出たようですが、その結果は
①の群では3週間の集中的な運動プログラムで運動症状はグッと良くなりましたが、
1年後には介入前と同じくらいに戻りました。
その後5年間は維持傾向ですが、お薬の量は少しずつ増えて行きました。
③の群では運動機能は少しずつ落ちて来てしまい、お薬の量も増えて行きました。
②の群では3週間のプログラムでグッと良くなって、その後も良いまま維持されています。
お薬の量も①と③の群は6年間でL-dopa換算量が600mg増えたのに対して
②の群では200mg程度でした。約3倍の差がありました。
この結果から「集中的な運動介入は身体機能を改善させるのに有効」で、
「その後の運動継続はよくした身体機能を維持させるだけではなく、
薬の増加を抑制する効果がある」
ことが分かります。
統計的な数値なので各個人に関してはバラツキはあるかと思います。
人によるところもあるかもしれませんが、
運動の効果がこうやって見える化されるとやる気出ますね♫
こういった研究結果から私たちは
「集中性と継続性がパーキンソン病の方にとってとても大事である」
と考えています。
私たちは、「根治療法が確立されるまで動ける体つくり」のために
様々なサービスを作り続けます!
一人じゃない!みんながいる!
小川順也