ジスキネジアはどういう状態?治療法はどういう方法がある?
2022.10.07 更新
こんにちは。
PD itの山口です。
10月に入りましたね。
今年も残すところあと3か月弱。
2022年を残り楽しんでいきましょうね♬
皆さんは
「ジスキネジア」
をご存じでしょうか?
ジスキネジア は
体がクネクネと
勝手に動いてしまう症状です。
このジスキネジアに
悩んでいらっしゃる方は
多いのではないでしょうか?
今回は、
「ジスキネジア」の状態とその治療法
についてご紹介します!
ぜひ最後まで
ご覧くださいね♬
本日の内容
①ジスキネジアはどういう状態?
②ジスキネジアがあるとどんなことが大変?
③運動でジスキネジアはよくできるのか?
④手術療法(DBS)によるジスキネジアへの効果
それでは本題に入ります。
①ジスキネジアはどういう状態?
ジスキネジアは手足、体が
勝手に動いてしまうような状態です。
自分の意思で
ジスキネジアの動きを止めることが
難しくなります。
動画があるので
こちらもよろしければ
ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=vSVPMA55t_0
↑
YouTube動画 ジスキネジアの様子
(Neurology Journal:Teaching Video NeuroImages: The underrecognized diphasic dyskinesia of Parkinson disease)
このジスキネジアは
パーキンソン病の薬である、
L-ドパ
の副作用として
生じることが多いとされています。
②ジスキネジアがあるとどんなことが大変?
ジスキネジアは自分の意思で動きを止めることが
難しいことが特徴です。
そのため、周囲から
”落ち着きがない”
と思われてしまうこともあるようです。
また、
物をうまく持てなかったり
重度になると
歩きにくくなったりなど
日常生活に支障をきたすことがあります。
③運動でジスキネジアはよくできるのか?
ジスキネジアへの対処法は
お薬の調整が主です。
しかし、ジスキネジアは
そもそも薬の副作用として
生じやすいので、
これらの薬を減らすと
ジスキネジアが軽くなっても
他の症状が強く出てしまう
こともありえます。
そのため、
できれば薬調整以外の方法で
ジスキネジアを軽減できれば
いいですよね。
薬調整以外で
ジスキネジアを軽減できる方法として
運動療法が挙げられます。
運動療法は
どういった効果が
あるのでしょうか?
2012年にイタリアの研究グループが発表した論文
(Frazzitta G, et al.:2012 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/22672943/)
が参考になるので紹介します。
この研究では、
4週間の集中的なリハビリテーション(運動療法)の効果を確認しています。
結果として、
〇4週間集中的にリハビリテーションをしたグループ、
〇集中的にはリハビリテーションをしていないグループ、
ともに各状態の改善を確認しています。
しかし、
〇4週間集中的にリハビリテーションをしたグループ
の方が減薬できたり、
日常生活での動きの改善度合いが大きかった、
というような結果でした。
そして、なにより
〇4週間集中的にリハビリテーションをしたグループ
では、ジスキネジアの症状が軽減した
といった効果も確認しています。
このことから、
運動を集中的に、負荷量を適度に高めてできると
ジスキネジアを軽減できる可能性があるといえます。
④手術療法(DBS)によるジスキネジアへの効果
以上のように、
ジスキネジアに対する運動の効果も
明らかになってきています。
しかし、
実際にわたしが対象者さんと
運動をしていくなかで
感じることもあります。
それは、
ジスキネジアが重度になると
そもそも負荷量を適度に高めた運動を
実施することが難しくなることです。
ジスキネジアが重度になると
治療の選択肢として
脳に電極を入れて刺激を加える
”脳深部刺激療法”
(DBS)
が挙げられることがあります。
パーキンソン病診療ガイドライン2018では
DBSを考える基準として
「運動症状の日内変動やジスキネジアが薬物療法で改善困難で、
かつ,
オン時の運動機能やADLが損なわれていない時期である。」
と明記されています。
(パーキンソン病診療ガイドライン2018:
https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdgl/parkinson_2018_27.pdf)
このように、
ジスキネジアの治療として
DBSを検討することもあります。
-------------------
以上、
ジスキネジアの状態や治療について
まとめました。
ジスキネジアも原因がいくつかあるので、
しっかりと主治医と話をしながら治療をすすめていく
必要があります。
そして、ジスキネジア治療の選択肢として
DBS がありますが、
このDBSについての情報は少ないのが現状です。
今回の記事は以上になります。
それでは、最後まで読んでいただき
ありがとうございました。
またお会いしましょう!
PD it
山口祐弥