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パーキンソン病の運動は「質×量」

パーキンソン病専門のリハビリジムであるPDitスタジオに来られるかの悩みで結構多いのは

 

「スポーツジムに行っているんだけども、最近動きが悪くなったり痛みが出たりする」

 

です。

 

スポーツジムで自主的に運動をすることはとても素晴らしいです。

パーキンソン病の進行予防の研究によると、
「ちょっときつめの負荷を1日30分を週3日以上行うと良さそうだよ」
という研究がいくつかあります。

 

筋力が落ちてきたように感じる原因としてはいくつかありますが、
今日は3つに絞って回答します。

 

① 筋肉を使いすぎて使いにくくなっている

② 日々の活動量が減ってしまって筋力が落ちている

③ 動かしているつもりで動いていない です。

 

① 筋肉を使いすぎて使いにくくなっている

これは、スポーツジムに通っていて筋トレをたくさんやっている方にとても多いのですが、
逆に筋肉が硬くなりすぎてしまって動きにくくなることがあります。

筋トレのみならず、しっかりとストレッチを行うことをお勧めします。

② 日々の活動量が減ってしまって筋力が落ちている

元々の生活で1万歩程度を歩いていたり、仕事をしていたりして活動量が多い方で、
ジムは行っているけども、日々の生活での活動量が減ってしまうと
その分だけ筋力は落ちていきます。

ジムに行ったからいいというわけではなくて、
日々の活動量(歩数)などにも目を向けるといいかもしれません。

有酸素運動系のエアロバイクなどを20〜30分漕ぐのもいいですね!

③ 動かしているつもりで動いていない

これはパーキンソン病の症状の特徴でもあります。

動作緩慢、無動と言って、動きが小さくゆっくりになる場合があります。

これは、なかなか自分自身で気がつけない場合があります。
そうなってくると、運動で腕を180度上にあげているつもりでいるが、
実際は90度くらいしか上がっていなかったりします。

そうすると上がっていない分だけ筋肉を使っていないので筋肉はつきません。
また、パーキンソン病は左右どちらかから発症すると言われているのですが、
右発症だと右を庇って左ばかりで筋トレするので右は筋力はつきません。

逆に、左を使いすぎて痛みが出る場合が非常に多いのです。
なので、ご自身のお身体の状態を専門家にしっかりとみてもらってから
運動の注意点を教えてもらって日々運動継続することが重要です。

運動はなんでもいいからやればいいというわけではありません。
自分に合った運動=質の高い運動 と 十分な負荷量=運動の量(時間) 運動の質と量がとても重要になります。

それでも、スポーツジムで運動継続しているのはとても素晴らしいので是非続けてくださいね♪

 

 


 

小川順也

理学療法士/LSVT BIG認定療法士

2011年〜2015年 国立精神・神経医療研究センター病院勤務

2017年〜株式会社Smile Space代表取締役就任

2022年は

パーキンソン病・運動障害疾患コングレスのPDナース・メディカルスタッフ研修会にてパーキンソン病のリハビリテーションというテーマで医療従事者へ向け講演を実施。その他多数の講演にてパーキンソン病のリハビリテーションを啓発している。

著書:パーキンソン病と診断されたら最初に読む運動の本(日東書院)

共著:パーキンソン病の医学的リハビリテーション、神経難病100の叡智

投稿:百年人生におけるパーキンソン病治療の展望 第四刊 「診断早期からの運動継続プログラムで根治療法が確立されるまで動ける体作り」

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