先生とのコミュニケーションで治療は変わる
2026.06.25 更新
先生とのコミュニケーションで治療は変わる

~薬の調整と症状の伝え方~
こんにちは。
パーキンソン病専門の理学療法士、小川順也です。
今日は、
「先生にどう症状を伝えたらいいの?」
というテーマについてお話ししたいと思います。
実は、パーキンソン病の治療において、
主治医とのコミュニケーションは薬と同じくらい大切
だと私は考えています。
「なんとなく調子が悪い」では伝わらない
パーキンソン病の症状はとても複雑です。
-
手が震える
-
歩きにくい
-
動きが遅い
-
疲れやすい
-
集中しにくい
-
便秘
-
睡眠の問題
など、本当にさまざまです。
さらに厄介なのは、
診察室では症状が出ないことも多い
ということです。
私も日々たくさんの方と関わっていますが、
普段は歩きにくいのに診察室では意外と歩けたり、
逆に診察の日だけ調子が悪かったりすることがあります。
先生は診察のプロです。
ですが、
診察室で見える情報だけでは分からないこともたくさんあります。
薬の調整はとても繊細
パーキンソン病の薬物療法は、
実はとても繊細です。
例えば代表的な薬である
レボドパ
は、
同じ薬でも
-
量
-
飲む回数
-
飲む時間
によって効果が大きく変わります。
例えば
朝・昼・夜に1錠ずつ飲んでいる方がいたとします。
診察で
「なんとなく最近調子が悪くて…」
と伝えた場合、
先生は
「一日中調子が悪いのかな?」
と解釈するかもしれません。
すると、
朝・昼・夜すべて増量
という判断になることもあります。
もちろん必要なら増量は大切です。
ただ、
本当は夕方だけ調子が悪いのであれば、
夕方の薬だけ調整する方が理想的です。
薬は必要な分だけ使う方が、
副作用のリスクも抑えられます。
症状日誌がとても役立つ
そこでおすすめなのが
症状日誌
です。
例えば、
1日の調子を
10点満点で記録します。
| 時間 | 調子 |
|---|---|
| 7時 | 8点 |
| 10時 | 9点 |
| 13時 | 8点 |
| 16時 | 4点 |
| 19時 | 7点 |
こんな形です。
すると、
「16時頃から急に調子が落ちる」
ことが見えてきます。
さらに
-
通勤がつらい
-
買い物が大変
-
夕飯の支度ができない
-
歩きにくい
など、
何が困るのかを書いておくとさらに良いです。
そうすると先生は、
-
16時前後だけ薬を追加する
-
飲む時間を変更する
-
別の薬を試す
など、
より細かい治療の選択ができるようになります。
パーキンソン病の専門家は誰?
私はよくお伝えしています。
パーキンソン病の専門家は自分自身です
もちろん先生は治療の専門家です。
しかし、
24時間一緒にいるわけではありません。
一番自分の体を感じているのは、
自分自身です。
だからこそ、
自分の体の変化を知り、
伝えることがとても重要です。
治療がうまくいく人の共通点
これまで本当にたくさんのパーキンソン病の方と関わってきました。
その中で感じるのは、
治療がうまくいく方ほど
受け身ではありません。
-
自分の症状を理解している
-
調子の波を把握している
-
困りごとを整理している
-
先生に具体的に伝えている
そんな方が多いです。
実際に、
そのような方の方が
進行が緩やかだったり、
症状の変化に合わせて良い治療選択ができている印象があります。
私がおすすめする2つの習慣
もし受診前に何をしたらいいか迷ったら、
まずはこの2つだけで十分です。
① 症状日誌をつける
受診前3日間でOKです。
-
調子の波
-
薬を飲んだ時間
-
困ったこと
を記録しましょう。
② 困りごとをベスト3に絞る
診察時間は限られています。
だからこそ、
先生に伝えることを整理しておくことが大切です。
例えば、
-
夕方になると歩きにくい
-
寝返りがしづらい
-
朝の動き出しがつらい
このように3つに絞るだけで、
診察の質は大きく変わります。
まとめ
パーキンソン病の治療は、
先生だけが頑張るものではありません。
患者さん自身も治療チームの一員です。
そのために大切なのは、
✅ 症状日誌をつける
✅ 困りごとをベスト3に絞る
✅ 調子の波を具体的に伝える
ことです。
受け身ではなく、
「自分も治療に参加する」
という気持ちを持つことで、
薬の調整も運動療法もより効果的になります。
ぜひ次回の受診前に、
3日間だけでも症状日誌をつけてみてください。
きっと先生とのコミュニケーションが変わり、
治療の選択肢も広がるはずです。

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