日常身体活動と運動習慣がパーキンソン病の進行を長期的に抑制
2022.06.21 更新
みなさんこんにちは。小川順也です。
私は、2015年まで国立精神・神経医療研究センター病院にて
理学療法士として多くのパーキンソン病の方々へ運動療法を実施してきました。
LSVT-BIGというアメリカの資格も持っていて、
多くの方へ集中的な運動介入を行ってきました。
集中的に運動をすると、やはり動きって良くなるんですよね。
でも、それを維持していくのが本当に大変で。
運動継続ってものすごく力がいりますよね。
今回紹介する論文は
Long-term Effect of Regular Physical Activity and Exercise Habits in Patients With Early Parkinson Disease
日常身体活動と運動習慣がパーキンソン病の進行を長期的に抑制
1400人以上の縦断的なデータを収集している
国際多施設共同観察研究であるPPMI(Parkinson’s Progression Markers Initiative)研究から
237名のパーキンソン病患者データで、
「日常身体活動量と運動習慣の維持が5~6年程度でどのような効果を持つか」という研究です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8883509/
出典:Kazuto Tsukita,MD,et al,Neurology. 2022 Feb 22; 98(8): e859–e871.
SDMT=認知機能
PIGD=歩行不安定性、姿勢障害
MSE-ADL=日常生活動作
SDMT=処理速度
・週に1-2回の1-2時間の中程度負荷の運動は歩行や姿勢に良い
(有酸素運動や筋トレレベル)
・1日に2~3時間程度の労働に関連した活動は処理速度低下の進行抑制
・1日に家事などの作業を2-3時間やっていると脳機能の低下を妨げる
という結果でした。
運動は週1-2回,1-2時間ですが、一日30分程度で3~4日でも良いと思います。
別の研究では推奨される運動は30分、週3日以上というのもありましたので。
労働や家事もとても良さそうですが、これも無理なくというのが大前提だと思います。
無理しながら行うと精神的にも肉体的にも辛い〜という方をたくさん見てきました。
適度な運動や労働や家事を「継続」することは
パーキンソン病の進行抑制にとても良さそうです。
やはり運動を継続することが重要ですね♫
私がPD Cafeを行っているのは、まさにこの「継続」のところなんです。
病院退院すると、なかなか医療保険・介護保険ではリハビリが続けられない現状があります。
ということで、
PD Cafeではオンラインやリアルを通して運動継続する仕組みを作っています。
私たちと一緒にぜひ運動継続しましょう♫
一人じゃない!みんながいる!