歩きにくさのリハビリにはPDメリハリウォーキング
2023.10.13 更新
パーキンソン病の特徴について
パーキンソン病の代表的な症状として
- 動作緩慢(無動)
- 固縮
- 安静時振戦
- 姿勢反射障害
があります。
動作緩慢と固縮が強い方は、歩きが小さくゆっくりになることがとても多いです。
問題なのは、小さくゆっくりに動いていることに気がついていないことです。
動作緩慢の悪循環として
- 小さくゆっくりした動きに気がつけない
- もっと小さくゆっくりな動きになる
- 活動範囲が狭くなる
- 筋力低下や柔軟性の低下による前傾姿勢の増加
をループすることで、廃用症候群が進んでしまいます。
https://www.tyojyu.or.jp/net/byouki/rounensei/haiyo-shokogun.html
※廃用症候群とは?健康長寿ネットをご参照ください。
この悪循環が進んでいくことで、
「あれ?なんだかパーキンソン病が進行してしまったのか?」と思う方がたくさんいます。
そう思って、主治医に相談すると薬が増えてしまうことがあります。しかし、動作緩慢は薬を増やしてもあまり改善しないとも言われています。
PDメリハリウォーキング
では、このように動作緩慢の悪循環になってしまった方はどんなリハビリをしたらいいのでしょうか?
それが、PDメリハリウォーキングです。
まず第一に、歩きが「ゆっくり小さく」なっていることに気がついていないのが大問題です。
そこに気がつくことがとても重要になります。その上で、リハビリの方法をお伝えします。
ゆっくりに対してのリハビリ
人の歩きは速さでいうと100-120bpm程度のリズムで歩いています。
ゆっくり歩いている方は大体80~90bpm程度になっています。
メトロノームを活用して、最初は90bpmの速さからスタートして最終的には140bpm程度まで速くしてみましょう。
90bpmで1分→100bpmで1分→110bpmで1分
というふうに時間を決めて少しずつ速さを高めていきます。
最初は120bpmくらいでキツくなってしまうと思います。ご自身の限界値-10bpmで日々のウォーキングをしてみましょう。2週間程度実施していて慣れたら速くするのにチャレンジしてみましょう。
ゆっくりな歩きになっている方はぜひメトロノームを活用してくださいね。
小さいに対してのリハビリ
人の歩幅は年齢や身長によって平均値が変わりますが、大体5~60cmです。小さく歩いている方の歩幅は大体3~40cmになっている場合が多いです。
そんな方は、目印を決めてそこを徐々に大きく歩いてみましょう。
大体10m程度の目標で、最初は20歩くらいかかったら、-1歩を心がけていきましょう。次第に歩幅を大きくして12~3歩くらいで歩けることを目標にしてみましょう。
練習なので、少し大袈裟に大きく歩くくらいがちょうど良いです。
この大きくを繰り返しているうちに、少しずつ日常の歩きも大きくなってくる場合がとても多いのでぜひ試してくださいね。
PDメリハリウォーキングの実践例
実際にこのウォーキングを試してみて歩きが良くなるの!?と思った方も多いと思います。
全ての人が同じような結果を得ることは難しいですが、実際に試してみて歩きが良くなった方も多くいらっしゃいます。
動画のAさんを事例にご紹介します。
Aさんは、パーキンソン病と診断されて1年経過していました。
私のところにやってきた時には、歩きは小さくゆっくりでした。動画で歩行をお見せすると
「え!?こんな歩きだったの?」
と驚いていました。まさに、小さくゆっくりになっている歩きを気がつけていなかったんです。
毎日30分ウォーキングしているとおっしゃっていました。この状態の歩きで30分ウォーキングしていても、あまり有効ではありません。
ということで、PDメリハリウォーキングをお伝えすると毎日のように実践してくれていました。
もちろん、PDメリハリウォーキング以外にも体のひねりのストレッチやお尻周りの筋トレなどいくつか自主トレをお伝えしています。
ご自身でも毎日続けていただくと、約4ヶ月後にはかなり大きくはやく歩けていました。
当初の状態では、階段を登るのもとても大変で一人で外出なんて難しい状態でした。4ヶ月経って、公園に一人で行ったり、元々参加していたカラオケの集まりに参加したりと活動の幅も広がりました。
歩きが、小さくゆっくりの方はぜひPDメリハリウォーキングをお試しください。
運動は個別性が大切
小さくゆっくりの方はPDメリハリウォーキングをお試しくださいとお伝えしましたが、パーキンソン病のリハビリには個別性がとても大事になります。
小さくゆっくりになっている人でも、人それぞれ原因も違っていきます。
PDメリハリウォーキングの他に、一人一人のお身体の状態に合わせてストレッチや筋トレも組み合わせていくことがとても重要になります。
自分自身に合わない運動や、間違ったやり方をしていると
腰痛や膝痛など痛みにつながるケースや、逆効果になるケースもよく耳にします。
どんな運動が自分自身に合っているか知りたい方はぜひ一度PDitスタジオ銀座にお越しください。
PDit 小川順也(資格:理学療法士、LSVT BIG認定療法士、PD療養指導士)
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PDitプログラムは診断早期から適切な運動の習慣化と集中性により、パーキンソン病の進行予防を目指したプログラムです。
対面でのトレーニングはPDitスタジオ銀座本店(自費リハビリ)にお越しください。
オンラインでまずはご自身でトレーニングの場合は
パーキンソン病専門の知識と経験を持った理学療法士のスタッフがパーキンソン病の方へお勧めの運動動画を作りました。さらに東京が遠方の方はオンラインでのリハビリも可能です。
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