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パーキンソン病の姿勢異常とは?

パーキンソン病の運動障害とは?

パーキンソン病は進行していくと、運動障害のリスクが高まります。

明らかな運動障害は

・姿勢異常(腰曲がり、首下がり、傾き)

・歩行障害(すくみ足、突進歩行)

です。

これらが発生すると、日常生活を過ごす上でかなり支障が出てきてしまいます。

なので、予防をしっかりして、姿勢異常や歩行障害が出ないことが理想です。

姿勢異常とは?

今回は、運動障害の中でも姿勢異常に対してご紹介していきます。

パーキンソン病の診療ガイドライン2018に姿勢異常について書かれています。

https://www.neurology-jp.org/guidelinem/pdgl/parkinson_2018_26.pdf

姿勢異常には、

・体幹前傾/前屈姿勢 stooped and bent posture

・体幹屈曲(腰曲がり) camptocormia

・斜め徴候 Pisa syndrome

・首下がり dropped head syndrome

・頚部前屈症 antecollis

があるとされています。

その原因は
・体の屈筋群と伸筋群の筋緊張のバランスが障害される

・筋力低下

・中枢性の固有感覚障害 proprioceptive sensation

・空間認知機能障害

など、さまざまな要因があります。

人それぞれ、姿勢異常になってしまう原因は分かれてきます。なのでしっかりとお身体の状態を確認していくことが必要です。

パーキンソン病診療ガイドラインにも

と書かれています。

Aさんはこの原因だったけど、Bさんは違った原因だった。なので、Aさんと同じようにしても良くならない。というのは、現場で良く経験します。

そう言った時は、改めて体の状態をチェックして、原因を突き詰めていきます。

 

姿勢異常の原因の個人差とは?

実際にパーキンソン病の姿勢異常に対する介入には、神経の知識のみならず、運動器系の知識が重要と考えています。

神経系の知識とはどう言ったものか。

・病態理解(パーキンソン病の理解、神経系の理解等)

・薬物療法や手術療法など運動療法以外の理解

・薬物療法の副作用の理解(服薬によっては姿勢異常が出る場合もある)

・非運動症状の理解

です。

病態理解として、姿勢の感覚のズレなどを把握しておくのは大事ですが、

薬物療法の副作用のことも理解しておくのはとても大事です。例えば、姿勢異常が出てきてしまった時期と、Aという薬を服薬し始めた、もしくは増量したタイミングが近かったら薬の副作用を疑って医療機関へ情報提供した方良い場合もあります。

副作用で姿勢異常が出ている場合は、まずは服薬調整を行ってもらった後に運動介入することがとても大事です。

過去に、PDitスタジオに姿勢異常で来られた方も、姿勢異常が出る少し前にある薬を服薬したことがきっかけでなってしまっていた方がいました。

その薬を飲まなくなっても、姿勢異常が残ってしまう場合もあるのでその方はしっかりと運動を行ってもらって姿勢がまっすぐになれました。

というように、神経系の知識もとても大事になります。

では

運動器系の知識とはどう言ったものか。

・姿勢分析

・歩行/動作分析

・身体機能の評価

・運動のバリエーション

です。

 

姿勢異常の原因は人それぞれです。

Aさんは感覚のずれが強くて傾いてしまった。
Bさんは、股関節の付け根の筋肉が硬くて傾いてしまった。
Cさんは、体をひねる筋肉が右だけ硬くなってしまって傾いてしまった。
Dさんは、足首の筋肉が左だけ硬くなってしまって傾いてしまった。

というように、個人差がとても大きいです。

Aさん、Bさん、Cさん、Dさんはもちろんそれぞれ原因が異なるので、それぞれ違った運動を開始していくことが必要です。

Aさんの場合は、感覚のずれが大きく、まっすぐの感覚がズレてしまっているので、まっすぐの感覚を取り戻す運動を行うことが必要です。

Cさんは、体をひねる筋肉の柔軟性に左右差があるので、右の硬さを取るために右側のみのストレッチを行うことが必要です。仮に両側のストレッチを続けているとこの柔軟性の左右差は埋めることができず、さらに開いていきます。

さらに開いていくと、もっと傾きが増してしまう可能性があります。

 

パーキンソン病は左右のどちら側から症状が出ると言われています。

なので左右差が生じてしまうことは多々あります。

姿勢異常も根本的な原因は人それぞれ違うので、その方の体の状況をしっかりと検査/評価してから運動を行うことが重要です。

 

いつから姿勢異常に対しての運動をしたらいいの?

結論から言うと、姿勢異常が出る前から予防的な運動を行うことをお勧めします。

 

パーキンソン病は、左右どちらからか発症すること、そして左右への傾きや前傾姿勢になっていることをなかなか自分で気がつくことが難しい現状があります。

気がついた時には結構曲がっていたと言う方も本当に多くいらっしゃいます。

なので、そうなる前に対応していくことが必須です。

 

仮に、姿勢異常の症状が出たことにすぐに気がつけたら、早くに対処することが重要です。

姿勢異常をそのままにしていくと、関節自体が固まってしまって運動では良くできない場合もあります。その場合は整形外科で手術する方も。。

また、前傾姿勢が続いていると背筋がとても頑張ってしまって、筋肉が壊れてしまい、筋力トレーニングをしてもあまり意味がない場合もあります。

 

そうなってしまうと、運動では良くすることは難しく、日常生活も過ごすのが大変になってしまいます。

なので、そうなる前に予防的に運動を行うことをお勧めしています。

 

定期的に、パーキンソン病に強い専門家(理学療法士や作業療法士)にお身体の状況を確認してもらうことはとても大事です。

 

お近くに、そう言う方がいない場合は

ぜひPDitスタジオもしくはオンライントレーニングをご活用してください♫

 

執筆者

PDit 小川順也(資格:理学療法士、LSVT BIG認定療法士、PD療養指導士)

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PDitプログラムは診断早期から適切な運動の習慣化と集中性により、パーキンソン病の進行予防を目指したプログラムです。

対面でのトレーニングはPDitスタジオ銀座本店(自費リハビリ)にお越しください。

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