感覚の変化について
2024.07.23 更新
こんにちは!
パーキンソン病の自費リハビリ施設「PDitスタジオ銀座本店」の小川です。
私たちは、パーキンソン病と診断された直後から適切な運動を続けることで、進行抑制を目指しています。
今回のブログは下記の研究から皆さんにお伝えしたいことをまとめました。
Antonella Conte,Nashaba Khan,et al.Nature Reviews Neurology volume 9, pages 687–697 (2013):Pathophysiology of somatosensory abnormalities in Parkinson disease
パーキンソン病の早期段階における感覚の変化
「まだ体は動くから大丈夫」
「リハビリは必要ない」
と思われている方も多いかもしれません。
でも、実はパーキンソン病は運動症状だけではなく、感覚にも影響を及ぼすことがわかってきています。
今回の研究によると、パーキンソン病の方は以下のような感覚の変化を経験することがあります
- 触覚:物に触れた感覚が鈍くなることがあります。
- 痛覚:痛みの感じ方が変わることがあります。
- 温度感覚:熱さや冷たさの感じ方が変わることがあります。
- 固有受容感覚:自分の体の位置や動きを感じる能力が変化することがあります。
これらの感覚の変化は、病気の初期段階から現れることがあります。つまり、まだ体の動きに大きな問題を感じていなくても、感覚の面では既に変化が始まっている可能性があるのです。
実際にPDitスタジオで1ヶ月以内に診断された方も多く来ますが、ご本人は気が付かないレベルで感覚の変化が起きている場合を多く経験します。
固有受容感覚
特に注目したいのは固有受容感覚です。
この感覚が変化すると、自分の姿勢や動きの異常に気づきにくくなることがあります。
例えば、少し前かがみになっていても、自分では気づかないということが起こりうるのです。
「ご家族や友人に姿勢について指摘されて気がついた」
という方も多いのではないでしょうか。
これらの感覚変化を放置すると、転倒のリスクが増加したり、体の動きがぎこちなくなるなど、 将来的な運動機能の低下 につながる可能性があります。
これらの感覚の変化は、脳内のドーパミンの減少が原因だと考えられています。ドーパミンは運動だけでなく、感覚情報の処理にも重要な役割を果たしているからです。
対処法とは?
では、このような感覚の変化に対して、何ができるでしょうか?
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早期からのリハビリテーション: 感覚の変化に対応するため、早い段階からリハビリを始めることが大切です。専門家の指導のもと、感覚を刺激する運動や、姿勢を意識する練習を行うことで、感覚の変化に対応する力を養うことができます。
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日常生活での意識: 日々の生活の中で、自分の姿勢や動きを意識的に確認する習慣をつけましょう。鏡を見たり、家族に確認してもらったりするのも良い方法です。
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定期的な医療相談: 感覚の変化について、定期的に主治医に相談しましょう。症状の進行を把握し、適切な治療やケアを受けることができます。
パーキンソン病は長い付き合いになる病気です。でも、早い段階から適切に対応することで、より長く快適に過ごすことができます。まだ体が動くから大丈夫、ではなく、今のうちから積極的に自分の体と向き合い、ケアしていくことが大切です。
一人で抱え込まず、専門家や家族と協力しながら、前向きに生活していきましょう。
パーキンソン病と診断されたらご自身に合った運動を継続して行きましょう!
私たちにお気軽にご相談ください。
本記事の執筆者
パーキンソン病専門の自費リハビリ施設
「PDitスタジオ 銀座本店」
小川順也(Junya Ogawa)
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PDitプログラムは診断早期から適切な運動の習慣化と集中性により、パーキンソン病の進行抑制を目指したプログラムです。
対面でのトレーニングはPDitスタジオ銀座本店(自費リハビリ)にお越しください。
本日ご紹介した運動が収録されているのはPDitオンラインです。段階的な運動レベルの動画もあります。ご自身に合った運動を選ぶことが重要ですのでぜひ体験してください。
パーキンソン病専門の知識と経験を持った理学療法士のスタッフがパーキンソン病の方へお勧めの運動動画を作りました。さらに東京が遠方の方はオンラインでのリハビリも可能です。
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