パーキンソン病と腕振りの意外な関係
2024.07.24 更新
あなたは腕を振って歩いていますか?パーキンソン病と腕振りの意外な関係
「最近、歩くのが億劫になった」「体の動きが以前より鈍くなった気がする」と感じていませんか?
パーキンソン病と診断されてから5年以内の方、特にリハビリテーションをまだ受けていない方は、ぜひこの記事を読んでみてください。
パーキンソン病は、体の動きをコントロールする脳の機能が低下していく病気です。歩行困難や体の硬直など、様々な症状が現れますが、実は「腕振り」にも影響が出ていることをご存知でしょうか?
最新の研究によると、パーキンソン病の方は、健康な方に比べて**左右の腕振りのバランスが崩れやすい**ということが分かっています。
「あれ?そういえば私も…」と感じた方もいるかもしれません。
今回は、2023年に出た最新の研究と私たちの経験からお伝えして行きます。
-パーキンソン病患者におけるアームスイングの非対称性と歩手との関係:系統的レビューとメタアナリシス-
, Volume 27, Issue 6, November–December 2023, 100559:Arm swing asymmetry in people with Parkinson’s disease and its relationship with gait: A systematic review and meta-analysis
最近の研究で、PDの方は健康な人と比べて「腕振りの左右差(ASA)」が大きいことがわかりました。この差は、薬の服用の有無にかかわらず見られます。
重要なポイント:
- ASAはPDの早期段階でも現れる可能性があります。
- ASAは病気の進行を追跡するのに役立つ可能性があります。
- 自分では気づきにくい症状です。
専門家による評価の重要性
自分では気づきにくい腕振りの左右差ですが、専門家の目で見ることで、早期発見や効果的な治療につながる可能性があります。
腕を振ることは、歩行の安定性を高め、効率的に歩くためにとても重要な動作なのです。つまり、腕の左右差が大きいと、歩行がスムーズにいかず、転倒のリスクも高くなってしまうのです。
実は、多くのパーキンソン病の方は、自分の腕の振り具合の左右差に気づいていないことが多いのですが、この論文の結果を受けて、腕の動きを観察し、改善するトレーニングが重要視されるようになってきました。
実際にPDitスタジオに来る方で、歩いている時の腕の振りに左右の差が出ている方は一定数います。
私たちの施設では、研究も進めていてこの腕振りの左右差が大きい方と少ない方がいます。とても大きい方を片側に症状が特化している「片側タイプ」と分類して、片側の症状に特化した専門的な運動を実施しています。
この腕振りの左右差を放っておくと歩行の安定性をさらに悪化させ、転倒のリスクを高めてしまう可能性があります。
「まだ症状は軽いから大丈夫」
「リハビリなんて必要ない」
そう思っていませんか?
パーキンソン病の症状は、早期から適切なリハビリテーションを行うことで、進行を遅らせ、日常生活の質を維持することが期待できます。
当スタジオでは、パーキンソン病に特化した専門のセラピストが、患者様一人ひとりの症状や体力に合わせたオーダーメイドのリハビリテーションプログラムを提供しています。
特に、腕振りに着目した運動療法は、歩行能力の改善だけでなく、転倒予防にも効果が期待できます。
「最近、腕振りが気になる…」
「パーキンソン病に特化したリハビリを受けてみたい」
そう思われた方は、ぜひ一度当スタジオにご相談ください。
私たちと一緒に、パーキンソン病を正しく理解し、自分らしく歩き続けられる未来を目指しましょう!
前回の記事では、感覚についてお話ししています。
まさにこの腕振りの左右差にご自身では気がつけない理由が書いてあります。
こちらも参考にして下さいね。
本記事の執筆者
パーキンソン病専門の自費リハビリ施設
「PDitスタジオ 銀座本店」
小川順也(Junya Ogawa)
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PDitプログラムは診断早期から適切な運動の習慣化と集中性により、パーキンソン病の進行抑制を目指したプログラムです。
対面でのトレーニングはPDitスタジオ銀座本店(自費リハビリ)にお越しください。
本日ご紹介した運動が収録されているのはPDitオンラインです。段階的な運動レベルの動画もあります。ご自身に合った運動を選ぶことが重要ですのでぜひ体験してください。
パーキンソン病専門の知識と経験を持った理学療法士のスタッフがパーキンソン病の方へお勧めの運動動画を作りました。さらに東京が遠方の方はオンラインでのリハビリも可能です。
PDitオンラインでトレーニングを気軽に開始しましょう♪
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