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パーキンソン病のすくみ足・転倒はなぜ起こる?専門的なリハビリが大切な理由

パーキンソン病のすくみ足・転倒はなぜ起こる?専門的なリハビリが大切な理由

パーキンソン病の歩きにくさや転びやすさは、「気合い」では解決できません

こんにちは。PDitの小川順也です。

世田谷のスタジオをオープンして早くも2ヶ月が経ちました。すでに多くの方にご利用いただき、日々トレーニングを会員さんと行なっています。

世田谷スタジオは「ソエル」という名前で運営しています。銀座のスタジオは診断初期の方を対象としています。ソエルは進行中期の日常生活に若干支障が出てきた方が多く来られていて、いつまでも自宅で暮らし続けられる体を作るをコンセプトに運営しています。

ソエルでは、すくみ足症状や姿勢が前傾してしまったり斜めになってしまう姿勢異常を伴っている方や、転倒頻度が頻回になってきたという方が来てくれています。また、ちょっと生活で不自由さを感じてきたからしっかりと運動をしてこれ以上進行したくない!という方も多いです。

そんな中で、私たちは定期的にスタッフ間でディスカッションをしてどのように対応することがベストかを話し合っています。今回は、話し合ってきた中で皆さんに伝えたい!ということをまとめました。

〜一人ひとりに合わせた専門的な関わりが大切な理由〜

「最近、歩き出しで足が止まることがある」
「転びやすくなった」
「薬は飲んでいるのに、なぜか動きにくい」
「姿勢がだんだん傾いてきた気がする」

パーキンソン病の方から、こうしたお悩みをよく伺います。

でも実は、同じ「歩きにくさ」や「転びやすさ」に見えても、
その中身は人によってまったく違います。

不安が強くなると足が止まる方もいれば、
体を支える力が弱くて転びやすい方もいます。
体が横に傾いてしまう方もいれば、
薬の影響で思わぬ症状が出る方もいます。

だからこそ私たちは、
「とりあえず筋トレをする」
「とりあえずたくさん歩く」
という関わり方ではなく、

その方に何が起きているのかを細かく見て、原因に合わせて関わること
をとても大切にしています。

今回は、実際の症例検討会で話し合った内容をもとに、
PDitがどのように専門的に関わっているのかを、事例を交えてご紹介します。

1.足が止まるのは筋力不足だけではありません

不安が引き金になるケース

ある方は、下り坂、改札、横断歩道、美容室の入り口などで足が止まりやすくなっていました。
特に、

  • 人が多い

  • 後ろから人が来る

  • 急がなきゃと思う

  • また転んだらどうしようと思う

こんな場面で症状が強く出ていました。

この方に必要だったのは、ただ筋トレを増やすことではありません。
まず必要だったのは、

  • どんな場面で止まりやすいのか

  • その時どんな気持ちになっているのか

  • 体がどう崩れているのか

を整理することでした。

実際に見てみると、足が止まる前に

  • 体が前に倒れやすい

  • つま先歩きになりやすい

  • あせって動きが小さくなりやすい

という流れがありました。

そこでPDitでは、

  • まず立ち止まる

  • 深呼吸する

  • 姿勢を整える

  • 「かかとから」など、わかりやすい合図で歩き出す

というように、その場面に合わせた対策を一緒に練習しました。

すると、避けていた坂道をまた歩けるようになったり、改札を落ち着いて通れるようになったりしました。

ここで大切なのは、
「足が止まる=脚の問題」と決めつけないことです。

心のあせり、体の傾き、歩き方のくせ。
それぞれを見ながら、その方だけのやり方を作ることが大切です。

2.たくさん動いていても、転ぶ人は転びます

本当に必要な力が足りていないケース

別の方は、とても活動的でした。
ボウリング、ジム、運動習慣もあり、「よく動いている方」でした。

それでも転倒が多く、特に

  • 家の中の方向転換

  • キッチンで向きを変える時

  • 何かを持ちながら動く時

に転びやすい状態でした。

ここでわかるのは、
「運動していること」と「転ばない体ができていること」は同じではないということです。

詳しく見ると、この方は

  • 片側で支える力が弱い

  • 重心移動が小さい

  • 方向転換であわてやすい

  • 体幹やお尻がうまく使えていない

という課題がありました。

ソエルでは、

  • お腹まわり

  • お尻まわり

  • 片脚で支えるための土台

  • 左右にしっかり体重を乗せる練習

を、順番に積み重ねていきました。

その結果、以前は毎日のように転んでいた方が、
転倒回数が大きく減ってきました。

ここで伝えたいのは、
**「転ばないためには、とにかく動けばいいわけではない」**ということです。

どこが弱いのか。
どちらに乗れないのか。
どんな場面で崩れるのか。
そこを見ないと、本当の意味での改善にはつながりません。

3.姿勢が傾いている方には「頑張って伸ばす」だけでは足りません

左右への傾きや強い前傾姿勢があるケース

別の方は、体が横に大きく傾く「ピサ症候群」があり、転倒や骨折も繰り返していました。
それでも毎日仕事に行き、外出も多く、本人はとても前向きでした。

一見すると元気に見えます。
でも実際には、

  • 体幹がかなり固くなっている

  • 良い姿勢を保つ力が落ちている

  • 立ったまま練習すると危ない

  • 家では疲れてしまい、自主トレが続きにくい

という状態でした。

このような方に対して、
「がんばって背中を伸ばしましょう」
「もっと筋トレしましょう」
だけではうまくいきません。

ソエルではまず、

  • 体を少し整える

  • 伸びやすい形を見つける

  • そのあとで体幹を使う練習をする

という順番で進めます。

また、自宅では無理のないように

  • 座ってできる運動

  • 1分でもできるストレッチ

  • 休みの日だけやるメニュー

など、生活に入りやすい形に変えて提案します。

専門的な関わりとは、難しいことをすることではありません。
その方の体だけでなく、暮らし方まで見て、
**「できる形に落とし込むこと」**です。

4.薬があっているかどうかも、体の変化から気づくことがあります

運動だけでなく、医師との連携が大切なケース

ある方は、新しい薬を飲み始めてから、

  • 人がいないのに人がいるように見える

  • 物が人の顔に見える

といった症状が出てきました。

一方で、体の動きは少し良くなっている感じもありました。

このような時に大事なのは、
「気のせいかな」で終わらせないことです。

ソエルでは、

  • いつから変化が出たのか

  • 薬を始めた時期と重なるか

  • ご本人やご家族がどう感じているか

を整理し、必要な場合は主治医の先生につなげます。

パーキンソン病では、運動だけ見ていても足りません。
薬の影響、生活の変化、ご家族の気づきもとても大切です。

専門的に関わるというのは、運動指導だけではなく、必要な時に医療につなぐことでもあります。

5.道具を使うだけで、体のわかりやすさが変わることがあります

「やり方」を変えるだけで改善しやすくなるケース

別の方は、体幹のひねりや骨盤の動きがよくわからない状態でした。
「動かしているつもり」でも、実際にはとても小さくなってしまうタイプです。

この方には、

  • バランスボール

  • ストレッチポール

  • ペットボトル

などを使って、体の動きがわかりやすくなる工夫をしました。

すると、

  • 体幹のひねりが出やすくなる

  • 腕の振りが改善する

  • 歩幅が広がる

  • ご本人も「動きやすい」と実感できる

という変化が出てきました。

ここで大事なのは、
「良い運動」を探すことではなく、その人に伝わる方法を探すことです。

同じ運動でも、

  • 口で説明した方がわかる人

  • 手で支えた方がわかる人

  • 道具を使うとわかる人

がいます。

ソエルでは、その方に合う入り口を探しながら進めています。

6.パーキンソン病の運動は、「たくさんやるほど良い」わけではありません

改善を感じ始めると、
「もっとやればもっと良くなるのでは」と思う方が多いです。

でも実際には、

  • やりすぎて腰を痛める

  • 力みすぎて変なくせがつく

  • 頑張りすぎて続かなくなる

ことも少なくありません。

だからソエルでは、

  • 何を

  • どのくらい

  • どんな形で

  • どの頻度でやるか

を細かく調整します。

パーキンソン病の運動で大切なのは、
量よりも質です。

今の体に合ったやり方で、
少しずつ続けることが何より大切です。

7.私たちが大切にしていること

ソエルでは、ただ運動メニューをお渡しするのではなく、次のことを大切にしています。

① 何が起きているのかを細かく見ること

  • 足が止まる理由

  • 転ぶ理由

  • 姿勢が崩れる理由

  • 薬の影響

  • ご本人の不安

を整理します。

② その方だけの「困りごと」に合わせること

  • 改札で困るのか

  • 家の中で困るのか

  • 仕事中に困るのか

  • 外出先で困るのか

困る場面が違えば、必要な練習も変わります。

③ 家で続けられる形にすること

  • 1分でできる

  • 座ってできる

  • この曜日にやる

  • この道具を使う

など、生活に合わせて組み立てます。

④ 必要な時には医師やご家族ともつながること

運動だけで解決しない問題もあります。
だからこそ、広い視点で見ていくことが必要です。


最後に

「あなたに合った方法」を見つけることが大切です

パーキンソン病の症状は、一人ひとり違います。
同じ診断名でも、困りごとも、体の使い方も、必要な練習も違います。

だからこそ、

  • 動けなくなってからではなく

  • 転ぶ回数が増えてからではなく

  • 姿勢が大きく崩れてからではなく

早めに、専門的に見てもらうことがとても大切です。

「最近ちょっと歩きにくい」
「転ぶのがこわい」
「このままでいいのかな」
そんな時は、早い段階でご相談ください。

私たちは、あなたの体をしっかり見て、
あなたに合ったやり方を一緒に考えていきます。

PDit

小川順也

 

どんな運動したらいいのかな〜

専門的に体を見てほしい!

と思う方はぜひ私たちを頼ってくださいね♫

 

診断早期の方の運動プログラムはこちら

PDit スタジオ

 

少し進んでしまったかな?と思う進行中期の方の運動プログラムはこちら

https://soel.pdit.jp/

 

オンラインで気軽に運動を始めたい!と思う方はこちら

https://pd-startnow.pdit.jp/

 

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