運動は「気合い」では続かない。〜パーキンソン病と行動変容のお話〜
2026.08.03 更新
はじめまして。
このたびPDitでブログを書かせていただくことになりました、作業療法士の属(サッカ)です。
これまで約8年間、回復期リハビリテーション病院でパーキンソン病をはじめとする神経疾患の方のリハビリに携わってきました。
現在はPDitで、主にイマスルのトレーニングと手のトレーニングを担当しています。
これからこのブログでは、
「運動をどう続けるか」
「生活の中でどう活かしていくか」
そんなテーマを、専門的な内容もできるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
ぜひ気軽に読んでいただけたら嬉しいです。
「良くなりたい」と思っているのに続かない
PDitに来られる皆さんは、とても前向きです。
「これ以上悪くしたくない。」
「旅行を楽しみたい。」
「仕事を続けたい。」
「趣味を続けたい。」
そんな目標を持って、運動に取り組まれています。
でも、
運動の大切さは分かっている。
方法も分かっている。
それでも、
「今日は疲れたから明日にしよう。」
「仕事や家事を優先したい。」
「今日は時間がない。」
そんな日もありますよね。
そして、その”明日”が少しずつ増えてしまうことがあります。
これは決して意志が弱いからではありません。
実は、人の行動には「続きやすい条件」があることが分かっています。

「行動=能力 × 機会 × やる気(COM-Bモデル)」
行動は「やる気」だけでは決まりません
運動を始めたり続けたりするには、
「やる気」だけでは十分ではありません。
行動科学では、
行動は次の3つがそろうことで起こると考えられています。
能力(Capability)
運動方法が分かる。
安全にできる。
体力がある。
機会(Opportunity)
運動できる時間がある。
生活の中に取り入れやすい。
周囲のサポートがある。
やる気(Motivation)
やってみようと思える。
効果を感じられる。
目標がある。
この3つが重なることで、
初めて「行動」につながります。
つまり、
「もっと頑張ろう」だけでは続きにくいということです。
PDitで大切にしていること
私たちは、
「もっと頑張ってください」
と背中も押しますが、
“どうすれば続けやすくなるか”
も一緒に考えています。
例えば、
・生活リズムに合わせる
・その人に合った目標を考える
・頑張りすぎない運動量から始める
・できたことを一緒に振り返る
運動は、
「できる・できない」
ではなく、
「続けられるかどうか」
がとても大切だからです。

「小さな成功 → 自信 → 継続 → 習慣」
完璧を目指さなくて大丈夫
運動を続けようと思うと、
つい
「30分やらなきゃ」
「全部やらなきゃ」
と思ってしまいます。
でも、
研究では、
小さな成功体験を積み重ねることが、
継続にはとても大切だとされています。
今日は5分だけ。
今日は1種目だけ。
それでも十分です。
その「できた」が、
次の「できた」につながっていきます。
最後に
私はこれまで多くの方と関わる中で、
「身体を良くすること」と同じくらい、
「続けられる仕組みをつくること」
が大切だと感じてきました。
だからPDitでは、
身体だけを見るのではなく、
生活や目標、その人らしさも一緒に考えながらリハビリを行っています。
未来の身体は、
今日の小さな一歩から変わっていきます。
一緒に、無理なく続けられる方法を探していきましょう。
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参考文献
- Michie S, van Stralen MM, West R. The Behaviour Change Wheel: A New Method for Characterising and Designing Behaviour Change Interventions. Implement Sci. 2011.
- Prochaska JO, DiClemente CC. Stages and Processes of Self-Change. J Consult Clin Psychol. 1983.
- Peterson DS, et al. Using the Transtheoretical Model to Improve Exercise Adherence in People with Parkinson’s Disease. NeuroRehabilitation. 2015.
